四十肩・五十肩をなおすには

五十肩(四十肩)は、老化現象(退行性変化)により、肩の関節を形作る「上腕骨」と「肩甲骨」と「鎖骨」の位置関係が崩れて起こります。
関節が傷ついたり、重症になると、上腕骨の動きを肩甲骨が邪魔するようになり、腕が上がらなくなってしまったり、腕を後ろに回せなくなったりします。また、しばしば関節部分の腱や筋肉が傷つき、激しい痛みを伴うこともあります。病名は肩関節周囲炎です。

肩こりとの違いは?

五十肩(四十肩)は、肩の痛みと運動障害が特徴です。痛みの程度は、だるい、重いというほどのものから、激しい痛みのものまであります。痛みが取れても、腕を後ろに回せなかったり、手を上げられなかったりします。これを放置しても改善しません。肩を無理に動かすと痛みが再発し、症状が長期化することがあります。(一般には2~3年で自然治癒するといわれています)
肩の痛みの原因は組織の損傷や炎症です。
腕を回せないなどの肩の運動障害の原因は関節のズレや癒着です。
痛いところを揉んだり、痛みを我慢して無理に運動してはいけません。なぜなら組織の損傷や炎症をかえって悪化させてしまうからです。

四十肩・五十肩になったときの対処法

当院では
四十肩・五十肩になる前の段階があることを確認しています。すなわち肩関節に痛み(炎症)はないが、運動障害(腕を上げようとすると肩関節が引っかかるなどの運動制限)がある、いわば肩関節症候群(私の造語です)という状態です。
この段階では痛みがないので、運動障害を本人が自覚していないことがほとんどです。
運動障害があるにもかかわらず、肩を無理やり動かしていると炎症を起こし痛みが出るようになります。
運動障害に痛みが加わると、いわゆる四十肩・五十肩です。
痛みがあってもなくても、基本的に施術は同じです。腕がどの方向に動かしたとき運動障害があるかからその原因箇所を予測し、そのゆがみ(関節のズレや癒着)を修正します。痛みがある場合は傷んで炎症を起こしている患部にはできる限り触れないようにします。炎症をこれ以上悪化させないためです。
関節のズレや癒着が取れれば、肩の運動障害が改善します。肩の動きが滑らかになるので無理な動きが減り、傷んだ組織の回復が促されます。
また、無理のない関節の動かし方を指導し実践してもらうことで、症状の再発を予防します。